ゴロワ隊長です。 バイクとシトロエン・エグザンティアを中心とした、バイクと車のブログ  たまには映画やカメラや食べ物のことも書きます  感じたことを何でもコメント書き込んでくださいね!!


by gauloi_taichou
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

桃太郎 海の神兵

桃太郎 海の神兵』というアニメーションをご存知だろうか?

e0122501_2318150.jpg
題名:桃太郎 海の神兵
制作:1944年 松竹映画社 74分 白黒作品
監督・脚本・演出:瀬尾光世
影絵:政岡憲三
原画:桑田良太郎
音楽:古関裕而
作詞:サトウハチロー



私がこのアニメを知ったのは、高校生のときに読んだ某雑誌の記事に、小野耕世氏がこの映画のことを書いていたからだ。当時、フィルム自体は失われているという話であった。
ところがなんと、そのフィルムは、84年に松竹映画社の大船倉庫で発見された。しばらくは松竹本社で希望者に公開していたらしい。そのうちTV放送の要望が募って、深夜枠にTV放映されたことがある。幸運にもその放送は見ることが出来て、異様な興奮を覚えたことを記憶している。

勿論録画しましたよ。


Betaで(笑)。


いまは観られないんだよな~007.gif



戦時中にこれだけのアニメを作る技術が日本にはあったのだ。
日本の海軍省より国策アニメ映画製作の命を受け、1944年に松竹動画研究部によって製作され、戦時下の1945年4月12日に公開された国産長編アニメーションである。日本初の長編アニメーション映画『桃太郎の海鷲』(1943年)の姉妹編である。
制作陣は、アメリカ軍から押収したディズニーの長編アニメ 『FANTASIA』を観て、腰を抜かさんばかりに驚き、これに負けじと、たった百名ほどでこのアニメを制作したということである。
ちょび髭のオヤジがカネに物を言わせて制作した『FANTASIA』に比べても、『桃太郎 海の神兵』の水準は相当高い。制作当時は、物資不足も深刻で、製作に必要な資材は潤沢な調達がままならず、質の悪いザラ紙の動画用紙は、撮影が終わると消して新たな動画を描き、セルも絵の具を落として再使用するなど、大変劣悪な制作環境であったという。
なのにこの質感はどうだ。60年代の黎明期のTVアニメなんか比べ物にならない。 


物語は、ミュージカル仕立てで、桃太郎のお話がベースになっている。
南方戦線のセレベス島・メナドへの日本海軍の奇襲作戦を題材に、海軍陸戦隊落下傘部隊の活躍を描き、当時の日本政府の大義であった「八紘一宇」と「アジア解放」を主題にした大作である。戦時中に国策で作られたので、内容的にはアレだが、戦意高揚が目的であっても、FANTASIAのように子供たちに夢や希望を与えるような作品にしようとしたことや、『桃太郎の海鷲』と同様に平和への願いを作品中に暗示させたことが大きく影響している。

登場する桃太郎と敵軍(鬼の姿)以外は、すべて動物で、動きやしぐさがとてもかわいい。動物一匹に対し、一人のアニメーターが担当していたという。また興味深いことに、8/10の挿話では、突然映画の文法が変わる。ここでは、『くもとちゅうりっぷ』で有名な政岡憲三による影絵が使われている。この手法は立体感が感じられて面白い。
このアニメは、かの手塚治虫に多大なる影響を与えたといわれている。
瀬尾光世の才能は、もっと評価されても良いのではないか?
e0122501_2318268.jpg

e0122501_23212920.jpg

e0122501_451396.jpg



下記の4/10では、犬の教官が島民の動物たちに日本語を教えるシークエンスが出てくる。当時日本軍が侵攻していた国の民衆に、日本語をこのようにして教えていたのかもしれない。
続いて5/10の1分14秒あたりから出てくる『あいうえおの唄』は必見である。

ありがたいことに、いまはyoutubeでこのアニメが観られる。
瀬尾と政岡のダブルネームによるこのアニメは、本当に素晴らしいですよ。
興味ある方は、ぜひともyoutubeへ飛んで、全編(10編)観て下さい。
下記の数字からも飛べます。
1/10  2/10  3/10  4/10  5/10  6/10  7/10  8/10  9/10  10/10

現在、日本コロムビアからVHSが発売されています。
[PR]
by gauloi_taichou | 2008-03-11 23:24 | 映画